ノルウェージャンフォレストキャットは、美しい被毛が特徴の猫種で、その被毛の美しさを維持するためには、日々の手入れが欠かせません。
また、ブラッシングは飼い主と猫とのコミュニケーションを促すためのツールでもあります。
この記事では、ブラッシングから得られるメリットや必要な理由、ブラッシングの方法、注意点について解説していきます。
ノルウェージャンフォレストキャットを飼育する上で、とても大切なケアの1つですので、参考にしていただけたら幸いです。
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛の特徴
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛は、耐寒性に優れた二重構造になっており、外側の毛を「トップコート」、内側の毛を「アンダーコート」と呼びます。
トップコートは、水をはじく防水効果があり、毛先はやや硬めで、獲物を捕まえるための鎧のような役割も担っています。
一方で、アンダーコートは柔らかく厚い下毛で、寒さから身を守る役割があります。
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛は、長く、密度が高く、この被毛を美しく保つためには、定期的なブラッシングが必要不可欠です。
ノルウェージャンフォレストキャットの換毛期はいつ?
ノルウェージャンフォレストキャットの換毛期は、3月頃と11月頃の年2回(春・秋)あります。
ノルウェージャンフォレストキャットの毛は年中生え変わっていますが、暑さ・寒さに対応しやすくするために夏前・冬前に大きく生え変わるのです。
アンダーコートは体温調整をする役割を担っていますので、換毛期に生え変わるのはアンダーコートがメインになります。
3月頃の換毛期では、暑さに対応するためにアンダーコートが少なくなり通気性を高め、体毛の量が少なくなるため、シュッとした外見になります。
逆に11月頃の換毛期では、寒さに対応するためにアンダーコートの毛が増えて体温を保ちやすくし、モフモフした外見になります。
体温調節の役割を担うアンダーコートがよく生え変わるニャー
ノルウェージャンフォレストキャットにブラッシングが必要な理由
長毛種のノルウェージャンフォレストキャットにはブラッシングが必要不可欠です。
というのも、ブラッシングは猫の健康維持のために以下のような役割を果たすからです。
- 抜け毛対策
- 毛球症予防
- 皮膚の献供維持
- 血行促進による被毛の健康維持
- コミュニケーション
ここからは、ブラッシングの必要性について詳しく解説していきます。
抜け毛対策
猫はグルーミングをして自分の被毛を管理しています。
ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種で被毛が多い猫は、短毛種の猫と違い、グルーミングだけでは管理が不十分になりやすいです。
換毛期かどうかに関わらず、ノルウェージャンフォレストキャットの被毛は年中生え変わっています。
ブラッシングは、抜け毛を取り除くために非常に効果的で、定期的にブラッシングを行うことで、毛の飛散を防ぎ、綺麗な毛並みを保つことができます。
飼い主の部屋を清潔に保つ意味でも重要な役割を担っていますので、定期的にブラッシングをしてあげましょう。
毛球症予防
ノルウェージャンフォレストキャットは、長毛種のため、毛玉ができやすいため、ブラッシングをすることで、毛球をほぐし、皮膚に絡みつくのを防ぐことができます。
抜け毛や毛球を放っておくと、グルーミングした時に被毛が消化器官に詰まる危険性があり、これが悪化してしまうと嘔吐や食欲不振を引き起こしてしまいます。
これを「毛球症」と呼び、ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種には非常に多い病気の一つです。
短毛種とは違い、長毛種は毛球ができやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
皮膚の健康維持
ノルウェージャンフォレストキャットの健康維持で忘れてはならないのが、皮膚の健康です。
ブラッシングは、皮膚の健康を維持するための簡単で効果的な方法で、古い角質や汚れが除去され、これにより、皮膚の呼吸が促進されることで、健康的な皮膚を保つことができます。
また、ブラッシングはリラックス効果もあるため、ストレスの緩和にも有効的と言われています。
ブラッシングをする際には、適切なブラシを選び、皮膚に優しく行うことが重要です。
血流促進による被毛の健康維持
ブラッシングをすることで、皮膚を刺激し、血行を促進することができます。
血流が良くなると、栄養素や酸素が体内に行き渡り、細胞の新陳代謝が促進され、身体の健康に良い影響をもたらします。
また、血流促進により被毛の健康維持につながるので、その点から見てもノルウェージャンフォレストキャットにとってのブラッシングは必要不可欠であると言えます。
血行促進によって、ストレス解消や疲労回復の効果も期待できますので、しっかりブラッシングをしてあげましょう。
コミュニケーション
ブラッシングは、猫と飼い主のコミュニケーションにとって重要な役割を果たします。
猫と触れ合う時間が増え、愛情を深められるだけでなく、毛並みを整えることで、猫の健康状態をチェックすることもできます。
また、猫はブラッシング中に心地よさを感じ、ストレスを軽減することができます。
さらに、猫がブラッシングを好むようになると、飼い主との信頼関係が深まり、猫の行動についてより多くの知識を得ることができます。
したがって、定期的なブラッシングは、飼い主と猫の関係をより良くするために欠かせないケアの一つと言えるでしょう。
ブラッシングする頻度
どれくらいの頻度でブラッシングをしたらいいの?
基本は1回/日、換毛期は2回/日が理想的ニャー
毎日のブラッシングが欠かせません!
また、換毛期は2回/日が理想的です。
ノルウェージャンフォレストキャットの健康管理には欠かせないケアですので、必ず行いましょう!
ブラシの選び方
一概にブラッシングと言っても、さまざまなブラシがあります。
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- コーム
どれか1つを使用するのではなく、それぞれを使い分けてブラッシングをすることで、被毛の健康を保つことができます。
スリッカーブラシ
スリッカーブラシとは、先が針金のように鋭く尖ったタイプのブラシです。
このブラシは、絡まった毛や毛玉を除去したり、抜け毛が多い換毛期に最適なブラシです。
ただし、先が尖っているので皮膚を傷つけないように注意して、ブラッシングをしましょう。
コーム
コームとは、歯が一直線に並んでいるブラシのことです。
毛並みを整えるのに役立つブラシで、コームは毛のもつれを取り除くのに適しています。
スリッカーブラシやピンブラシで抜け毛を取り除いたあと、コームで全体を整え仕上げをしてあげましょう。
ピンブラシ
スリッカーブラシの先にピンがついているタイプのブラシで、皮膚を傷つけにくいため、初心者でも比較的扱いやすいブラシです。
スリッカーブラシと比較すると、抜け毛や毛球の除去の効果は劣りますが、毛並みを整えることに向いているブラシです。
コームと同様に、毛並みを整えるなど、仕上げのブラシとして使用することが多いです。
ブラッシングの方法・手順
ブラッシングは手順が大切で、正しい方法でブラッシングを行わないと痛みが伴ったり、猫が嫌がってしまいブラッシング嫌いになる場合もあります。
比較的ブラッシングしやすい部位から行い、ブラッシングが嫌がらないようにすることがコツです。
徐々に、ブラッシングしにくい部位や毛球が発生しやすい部位を行っていきましょう。
ブラッシングしやすい場所(最初にする) | 毛のもつれ、毛球のできやすい部位(最後にする) |
---|---|
首周り | 背中〜側面お腹 後ろ足の付け根 | 脇の下
以下の手順を参考にブラッシングをしてあげましょう。
毛並みに沿ってブラッシングをし、抜け毛、毛のもつれを除去してあげましょう。
特に、「脇の下」「お腹」「後ろ足の付け根」は毛球ができやすいので、よく観察しながらおこないましょう。
必要な毛まで抜いてしまわないよう注意しましょう。
毛球ができている場合は無理にブラシを通さず、少しずつ毛のもつれをほどいていきます。
全体の毛並みを整えるよう、優しくブラシを通しましょう。
嫌がる場合は無理してブラッシングせず、徐々に慣らしていきましょう。
ブラッシングのコツ
ブラッシングは毎日行う大切なケアです。
猫が嫌がったり、うまくできない場合はこれらのコツを参考にしてみてください。
ブラッシングしやすい部位から行う
毛のもつれや毛球が発生しやすい部位からブラッシングをしてしまうと、痛みを伴うため嫌がってしまい、ブラッシングを嫌いになってしまいます。
ノルウェージャンフォレストキャットような長毛種の猫は、毎日ブラッシングが欠かせません。
ブラッシングが嫌いにならないよう、ケアをしやすい「背中〜側面」「首周り」から始めていきましょう。
ブラッシングを習慣づける
猫がブラッシングに慣れていない場合は、徐々にブラッシングを習慣づけていきましょう。
最初は短時間から始め、猫が慣れてきたら徐々にブラッシングの時間や頻度を増やしていきましょう。
猫の様子を見ながらブラッシングする
猫の様子を見ながら、優しくブラッシングするようにしましょう。
また、ブラッシングをしながら毛球がないか、皮膚にトラブルがないか、抜け毛の量が異常でないかを確認しながら行うことも大切です。
嫌がる場合は無理にしない
猫が嫌がる場合は、無理にブラッシングしないでください。
特に、毛のもつれや毛球の発生しやすい部位は、痛みを伴ったり嫌がる場合もあります。
ブラッシングを嫌がる猫は、過去にブラッシングで嫌な経験をしたことがあるのかもしれません。
嫌がる理由を理解し、少しずつ慣れさせていくことが大切です。
毛球ができてしまったらどうする?
毛球ができてしまった場合は、毛球に対して縦にハサミを入れ、その後ブラッシングすることで改善することができます。
ただし、必ず毛球の根本を持ちながら行い、誤って皮膚を切らないよう注意してください。
毛球が固くなり、ハサミも入らないような場合は、根本から切って取り除くしかありません。
ハサミや猫用のバリカンを使用して取り除いてあげましょう。
毛球が大きい場合や多数できてしまっている場合は、動物病院で診てもらうことも大切です。
ブラッシングの注意点
皮膚に傷をつけない
猫の皮膚を傷つけてしまうことがあるため、強くブラッシングしたり、鋭利なブラシを使ったりすることは避けましょう。
猫の皮膚が傷つくと、感染症や皮膚炎などの病気を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
毛球を無理に引っ張らない
毛球を無理に引っ張ると、猫の皮膚が傷ついてしまうことがあります。
また、毛球が切れて、猫の体内に飲み込まれることもありますので、バリカンやハサミを使って痛みが出ないように取り除きましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛の健康維持に必要なこと
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛を健康的に保つことはとても重要です。被毛の健康を維持するためには、以下の点に注意する必要があります。
被毛の健康を維持するための食事
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛を健康的に保つためには、栄養バランスの取れた食事が必要です。
タンパク質や脂質などの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
また、食事の量や回数も適切に管理することが必要です。
被毛の健康を維持するための運動
被毛の健康維持には適度な運動が必要です。
運動することで、血行が良くなり、被毛の健康を維持することができます。
運動不足になると、被毛の健康に悪影響を与えることがありますので、運動不足を解消するために、猫じゃらしなどのおもちゃなどを使って運動を促しましょう。
被毛の健康を維持するためのブラッシング
本記事で解説した通り、ブラッシングはノルウェージャンフォレストキャットの被毛を美しく保つために必要不可欠です。
毎日のブラッシングを行うことで、被毛を健康的に保つことができ、また、毛球の発生を防ぐことができます。
そうすることで、ノルウェージャンフォレストキャットがかかりやすい病気の1つの「毛球症」の発症予防に繋がります。
以上のように、ノルウェージャンフォレストキャットの被毛を健康的に保つためには、食事、運動、ブラッシングの3つが大切です。
これらのポイントに注意して、愛猫の被毛を美しく保ちましょう。
おわりに
本記事では、ノルウェージャンフォレストキャットの被毛の特徴やブラッシングの手順、被毛の健康の重要性について解説しました。
ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種の猫の健康維持には、ブラッシングは欠かすことのできない大切なケアの1つです。
正しい知識、手順をもって愛猫に接し、病気の予防をしながら長い期間、共に生活できるようケアをしっかりと行ってあげましょう。