ノルウェージャンフォレストキャットの病気辞典｜症状・原因・予防法を徹底解説！

ノルウェージャンフォレストキャット、その美しい被毛と穏やかな性格に魅了された飼い主さんは多いはず。

でも、実は彼らがかかりやすい病気があることをご存知ですか？

この記事では、ノルウェージャンフォレストキャットの健康を守るために知っておくべき情報を徹底解説します！

この記事を読めば、愛猫の健康状態をしっかりと把握し、病気の予防や早期発見に役立つ知識が身につきます。

大切な家族である愛猫との毎日を、さらに安心で幸せなものにしましょう！

ノルウェージャンフォレストキャットってどんな猫？

ノルウェージャンフォレストキャットは、その名の通り、ノルウェー生まれの猫種です。

厳しい寒さや雪の中で生き抜くために、厚く長い被毛とがっしりとした体格を進化させてきました。

その歴史は古く、なんとバイキング時代から存在していたとも言われています。

性格は穏やかで優しく、遊び好きで活発な一面もあり、高いところへジャンプしたり、おもちゃを追いかけたりすることも大好きです。

魅力あふれるノルウェージャンフォレストキャットですが、大型で長毛種という特徴がゆえに、特定の病気にかかりやすい傾向があります。

これららご紹介する病気は、早期発見と適切な治療が愛猫の健康と寿命を大きく左右しますので、愛猫を守るために必ず知っておきましょう。

特に注意が必要な３つの病気

大型で長毛のノルウェージャンフォレストキャットでは、特に以下の3つの病気に注意が必要です。

命に直接かかわるような病気でもありますので、しっかりと理解を深めておきましょう。

肥大型心筋症

ノルウェージャンフォレストキャットがかかりやすい病気の中でも、特に注意が必要なのが「肥大型心筋症」です。

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が異常に厚くなってしまう病気です。

心臓の壁が厚くなると、心臓がうまく血液を送り出すことができなくなり、様々な症状を引き起こします。

進行すると、心不全や突然死につながる可能性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。

項目	詳細
症状	呼吸が速い、浅い、 疲れやすい、運動したがらない、食欲不振、体重減少、失神、意識消失
原因	遺伝的要因（ノルウェージャンフォレストキャットはかかりやすい） 加齢、 高血圧、甲状腺機能亢進症
治療と予防	治療: 薬物療法、食事療法、運動制限、手術など 予防: 定期的な健康診断、適切な食事と運動、ストレス軽減

肥大型心筋症は、早期発見と適切な治療によって、寿命を延ばすことができる病気です。

日頃から愛猫の様子をよく観察し、少しでも気になることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。

また、定期的な健康診断も忘れずに行い、愛猫の健康を守りましょう。

糖尿病

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが悪くなることで、血液中の糖分（ブドウ糖）が高くなってしまう病気です。

進行すると、神経障害や昏睡など、さまざまな合併症を引き起こしてしまう恐ろしい病気です。

ノルウェージャンフォレストキャットは、大型猫であるがゆえに肥満になりやすく、肥満の影響から糖尿病を引き起こしてしまいやすいのです。

糖尿病にかかってしまうと永続的に治療が必要な病気ですので、しっかりと予防をしてあげることが大切です。

項目	詳細
症状	おしっこの量が増える、水をたくさん飲むようになる たくさん食べるのに痩せていく、元気がなくなる
原因	遺伝的要因 肥満（ノルウェージャンフォレストキャットは食欲旺盛で体重が増えやすい傾向があるため、注意が必要）
治療と予防	治療: インスリン注射、食事療法、運動療法など 予防: 適切な食事と運動による体重管理、定期的な健康診断

猫伝染性腹膜炎（FIP）

ノルウェージャンフォレストキャットに限らず、全ての猫にとって脅威となる恐ろしい病気が、「猫伝染性腹膜炎（FIP）」です。

FIPは「不治の病」と呼ばれ、発症すると非常に致死率の高い病気です。

FIPは、猫コロナウイルスが変異することで発症する病気で、腹水や胸水が溜まったり、神経症状が現れることで徐々に体を蝕んでしまいます。

項目	詳細
症状	発熱、食欲不振、体重減少、元気消失、腹部の膨満、 呼吸困難、神経症状（痙攣、ふらつき、麻痺など）
原因	猫コロナウイルスの変異
治療と予防	治療: 抗ウイルス薬、免疫調節薬、対症療法など。近年、新しい治療薬も開発されている 予防: ワクチン接種、衛生管理の徹底、多頭飼育環境での注意

近年、新しい治療薬の研究が進み、完治の可能性も出てきているものの、現段階では治療薬が製品化されていないため、未だに治療困難な病気であり、非常に恐ろしい病気です。

ノルウェージャンフォレストキャット特有の病気

ノルウェージャンフォレストキャットは、この猫種特有の遺伝性疾患が存在することも忘れてはいけません。

これらの病気は、繁殖の過程で受け継がれる遺伝子の異常によって引き起こされます。

早期発見と適切なケアが、愛猫の健康と幸せな生活を守るために不可欠です。

グリコーゲン貯蔵病（糖原病）

グリコーゲン貯蔵病は、体内でグリコーゲン（糖質の貯蔵形態）を適切に貯蔵・利用できない病気です。

ノルウェージャンフォレストキャットは、この病気の中でもIV型と呼ばれるタイプを発症しやすいことが知られています。

項目	詳細
症状	低血糖症状（虚弱、痙攣、易疲労性など）、成長障害、肝臓肥大、筋肉の衰弱
原因	遺伝子の変異
治療と予防	治療: 食事療法（高タンパク・低炭水化物）、頻回の食事 予防: 遺伝子検査による保因者（キャリア）の特定、保因者同士の繁殖回避

グリコーゲン貯蔵病IV型は、残念ながら完治が難しい病気ですが、早期発見と適切な食事管理によって、寿命を延ばすことができます

日頃から愛猫の様子をよく観察し、少しでも気になることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

ピルビン酸キナーゼ欠損症は、赤血球がエネルギーを作り出すために必要な酵素が不足することで、赤血球が壊れやすくなり、貧血を引き起こす遺伝性の病気です。

ノルウェージャンフォレストキャットを含む一部の猫種で、この病気の遺伝子を持つ個体がいることが確認されています。

項目	詳細
病気	赤血球のエネルギー産生に関わる酵素の欠損により、赤血球が壊れやすくなる遺伝性疾患。貧血や黄疸などを引き起こす。
症状	貧血（疲れやすい、息切れ、食欲不振など）、黄疸（皮膚や白目が黄色くなる）、脾臓の腫大、運動不耐性
原因	遺伝子の変異
治療と予防	治療: 輸血、脾臓摘出、サプリメント投与など 予防: 遺伝子検査による保因者（キャリア）の特定、保因者同士の繁殖回避

遺伝性疾患なので、お迎え前の遺伝子検査を確認しましょう。

進行性網膜萎縮

進行性網膜萎縮は、網膜が徐々に薄くなり、視細胞が変性していくことで視力が低下し、最終的には失明に至る病気です。

残念ながら、現在のところ根本的な治療法はありません。

しかし、早期発見と適切なケアによって、安心して暮らせる環境を整えることは可能です。

項目	詳細
症状	暗い場所での行動がぎこちなくなる、物にぶつかる、 瞳孔が開きっぱなしになる、視力低下、失明
原因	遺伝子の変異
治療と予防	治療: 現時点では根本的な治療法はない 予防: 遺伝子検査による保因者（キャリア）の特定、保因者同士の繁殖回避

その他のかかりやすい病気

ノルウェージャンフォレストキャットは、遺伝性疾患以外にも、その体の特徴や性格からかかりやすい病気がいくつかあります。

これらの病気についても、早期発見と適切なケアが大切です。

骨折

ノルウェージャンフォレストキャットは、体が大きく、高いところを好むため、落下やジャンプの失敗による骨折のリスクが高い猫種です。

特に、前足の橈尺骨（とうしゃっこつ）という骨が折れやすい傾向があります。

項目	詳細
症状	患部の痛み、腫れ、変形、出血、歩行困難など
原因	落下、交通事故、打撲、骨粗鬆症など
治療と予防	治療: 整復（骨を元の位置に戻す）、固定（ギプスや手術など）、鎮痛剤投与など 予防: 室内飼育、高い場所へのアクセス制限（シニア猫の場合）、交通事故対策

肥満は骨折のリスクを高めるため、適切な食事と運動で体重管理を行うことが重要です。

熱中症

ノルウェージャンフォレストキャットは、その名の通り、北欧の厳しい寒さの中で育まれてきた猫種です。

そのため、日本の高温多湿な夏は、彼らにとって厳しい環境であり、熱中症の危険性が非常に高くなります。

熱中症は、体温調節機能がうまく働かなくなり、体温が異常に上昇してしまう状態です。

重症化すると、命に関わることもあるため、特に夏場は注意が必要です。

項目	詳細
症状	あえぎ呼吸、よだれ、ぐったりする、嘔吐、下痢、ふらつき、痙攣、意識消失など
原因	高温多湿な環境、激しい運動、水分不足、換気不足など
治療と予防	治療: 涼しい場所に移動、体を冷やす、水分補給（ウェットフードの利用）、獣医師の診察 予防: 涼しい環境の確保（室温:26〜28℃）、風通しのいい環境の確保、こまめな水分補給、ブラッシング

尿石症

尿石症とは、尿の中に含まれるミネラル成分が結晶化し、尿路（腎臓、尿管、膀胱、尿道）に石のように固まってしまう病気です。

この石が尿路を塞いでしまうと、おしっこが出にくくなってしまったりや血尿などの症状を引き起こし、最悪の場合、腎不全や尿毒症といった命に関わる状態に陥ることもあります。

猫は水をあまり飲まない動物なので、泌尿器系の病気が非常に多いと言われています。

ノルウェージャンフォレストキャットに限らず、猫は泌尿器系の病気にかかってしまうリスクが高いので、しっかりとケアしてあげましょう。

項目	詳細
症状	頻尿、血尿、排尿困難、トイレ以外での排尿、陰部を気にする
原因	尿の濃縮、pHバランスの乱れ、細菌感染
治療と予防	治療: 食事療法、薬物療法、外科手術など 予防: 水分摂取量を増やす、適切な食事を与える、トイレ環境を整える、定期的な健康診断を受ける

毛球症

ノルウェージャンフォレストキャットといえば、長毛が非常に魅力的ですが、その美しい被毛は、時に「毛球症」というトラブルを引き起こす原因になることがあります。

毛球症とは、猫がグルーミング（毛づくろい）の際に飲み込んでしまった毛が、胃や腸の中で塊になり、消化器系の不調を引き起こす病気です。

項目	詳細
症状	吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、元気消失、毛づくろいの頻度増加
原因	長毛種であること、換毛期、グルーミングの頻度が高い、消化機能の低下など
治療と予防	治療: 吐き気止め、整腸剤、毛球除去剤投与、重症の場合は外科手術 予防: 定期的なブラッシング、毛球ケアフードや毛球除去剤の利用、水分摂取の促進、適切な食事と運動

病気を予防し、早期発見するためには？

愛猫が健康で長生きしてくれること、それは飼い主さんにとって何よりの願いですよね。

ノルウェージャンフォレストキャットとの暮らしをより安心で幸せなものにするために、病気の予防と早期発見は欠かせません。

ここでは、毎日のちょっとした心がけでできる、具体的な予防策と早期発見のポイントをご紹介します。

毎日の健康チェック

毎日欠かさず愛猫の様子を観察することは、病気の早期発見につながります。

特に、以下のポイントをチェックしましょう。

これらの項目を毎日チェックすることで、愛猫の健康状態を把握し、異変にいち早く気づくことができます。

適切な食事と水分補給

健康な体を維持するためには、バランスの取れた食事と十分な水分補給が欠かせません。

適切な栄養バランスと十分な水分摂取は、彼らの活発な体を支え、様々な病気のリスクを軽減する鍵となります。

目安となる水分摂取量: 猫の1日の水分摂取量の目安は、体重1kgあたり約50mlです。例えば、体重5kgの猫であれば、1日に約250mlの水を飲むように心がけましょう。

適度な運動

ノルウェージャンフォレストキャットは、活発で遊び好きな猫種です。

適度な運動は、ストレス解消や肥満予防だけでなく、心肺機能や筋肉の維持にも重要なので、快適な環境を整えてあげましょう。

快適な環境づくり

ノルウェージャンフォレストキャットが安心して過ごせるよう、快適な環境を整えてあげましょう。

定期的な健康診断

定期的な健康診断は、病気の早期発見・早期治療に繋がります。

飼い主のみなさまだけでは気づくことができない病気は数多くありますし、判断できないことも多いでしょう。

かかりつけの動物病院で定期的な診察を受けることで、病気の予防に努めましょう。

もし愛猫が病気になってしまったら…

愛猫が病気にかかってしまうことは、飼い主さんにとって大きなショックであり、不安な気持ちでいっぱいになります。

ですが、そんな時こそ、落ち着いて行動することが大切です。

落ち着いて動物病院へ

愛猫の様子がおかしいと感じたら、まずは落ち着いて、かかりつけの動物病院に連絡しましょう。

パニックになって慌ててしまうと、かえって状況が悪化してしまうこともあります。

以下のポイントを抑えて動物病院に向かいましょう。

治療費の負担

病気の治療には、検査費や薬代、入院費など、様々な費用がかかります。

特に、手術や長期の入院が必要な場合は、高額な治療費になることもあり、一度の通院で数万円かかることも珍しくありません。

残念ながら、高額な医療費が負担できないために、動物病院に通院できない飼い主もいます。

愛猫が長期的に元気に過ごすためには、万が一に備えてペット保険の加入を検討することが重要です。

ペット保険については、こちらの記事で詳しく解説しています。

FAQ

ノルウェージャンフォレストキャットの病気について、飼い主さんからよくいただく質問にお答えします。

ノルウェージャンフォレストキャットは、他の猫種に比べて病気になりやすいのでしょうか？

いいえ。ノルウェージャンフォレストキャットは、一般的に丈夫な猫種と言われています。しかし、大型で長毛種という特徴から、特定の病気にかかりやすい傾向があります。

遺伝性疾患は、必ず発症するのでしょうか？

必ずしも発症するわけではありません。遺伝性疾患は、両親から異常な遺伝子を受け継いだ場合に発症します。遺伝子検査を受けることで、発症リスクを事前に把握することができます。

ペット保険は、どのタイミングで加入するのが良いのでしょうか？

子猫のうちから加入しておくのがおすすめです。高齢になると、そもそも加入できないペット保険もあります。若いうちに加入しておけば、保険料が安く、補償範囲も広いことが多いです。

愛猫が急に元気がなくなりました。どうすれば良いでしょうか？

まずは落ち着いて、愛猫の様子を観察しましょう。食欲不振、嘔吐、下痢、発熱などの症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットの寿命は、どのくらいでしょうか？

一般的に、14〜16歳くらいと言われています。適切な飼育環境と健康管理によって、さらに長生きすることも可能です。

ノルウェージャンフォレストキャットの食事で、特に気を付けることはありますか？

高タンパクで低カロリーな食事を心がけましょう。肥満は、糖尿病や心臓病などのリスクを高めるため、体重管理は特に重要です。また、尿石症予防のために、水分摂取量を増やす工夫も大切です。

Q7. ノルウェージャンフォレストキャットは、暑さに弱いのでしょうか？

はい。ノルウェージャンフォレストキャットは、長毛種で寒さに強い反面、暑さには弱いです。夏場は、エアコンなどで室温を適切に保ち、熱中症を防ぎましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットは、ブラッシングは毎日必要ですか？

はい。ノルウェージャンフォレストキャットは、長毛種のため、毎日のブラッシングが必要です。ブラッシングは、毛玉症や皮膚病の予防だけでなく、愛猫とのコミュニケーションにも役立ちます。

ノルウェージャンフォレストキャットは、他の猫と仲良くできますか？

はい。ノルウェージャンフォレストキャットは、穏やかで社交的な性格のため、他の猫とも仲良くできることが多いです。ただし、個体差もあるため、相性の良い猫を選ぶことが大切です。

ノルウェージャンフォレストキャットを飼う上で、他に注意することはありますか？

ノルウェージャンフォレストキャットは、高いところが大好きなので、落下防止対策をしっかり行いましょう。また、定期的な健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

まとめ

この記事では、ノルウェージャンフォレストキャットのかかりやすい病気について、詳しく解説してきました。

特に注意が必要な肥大型心筋症、糖尿病、猫伝染性腹膜炎（FIP）から、ノルウェージャンフォレストキャット特有の遺伝性疾患、そしてその他の一般的な病気まで、幅広く取り上げました。

それぞれの病気の症状、原因、治療法、予防策、そして早期発見のポイントを理解することで、愛猫の健康を守り、より長く幸せな時間を共に過ごすことができるでしょう。

また、毎日の健康チェック、適切な食事と水分補給、適度な運動、快適な環境づくり、そして定期的な健康診断など、日々のケアの重要性についても改めて確認できたのではないでしょうか。

大切な愛猫との毎日が、笑顔と幸せで溢れますように。