【完全解決】ノルウェージャンの毛玉・抜け毛対策!おすすめブラシもご紹介

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「ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛が、想像以上にすごい…」

「毛玉をよく吐くけど、これって普通なの?」

「ブラッシングしたいのに、愛猫が『ウーッ!』と唸って、触らせてもくれない…」

その悩み、全てこの記事が解決します。

この記事は、ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛・毛玉問題に悩む飼い主のために書きました。

なぜ彼らの毛玉が危険なのか(体外と体内の2種類のリスク)といった根本原因から、おすすめブラシの選び方、最大の壁である「ブラッシングを嫌がる」愛猫を「大好き」に変えるための、行動学に基づいた具体的なトレーニング法をまとめました。

この記事を読んで、愛猫とのグルーミングタイムを、最高のコミュニケーションの時間に変えていきましょう。

この記事を読んででわかること
  • なぜノルウェージャンフォレストキャットの毛玉は危険なのか(体外・体内の2種類のリスク)
  • 失敗しないブラッシングの順番と、安全な毛玉の除去方法
  • ブラッシングを「嫌がる」猫のための、具体的なトレーニング法
  • おすすめブラシの選び方と、『ファーミネーター』の本当の注意点
目次

ノルウェージャンフォレストキャットの「毛玉」は2種類ある!体外(皮膚炎)と体内(毛球症)のリスク

ノルウェージャンフォレストキャットと暮らす上で、「毛玉」と「抜け毛」は避けて通れない悩みです。

しかし、多くの飼い主さんが「毛玉」という言葉を、漠然とした「厄介なもの」として捉えてしまっています。

この記事の最も重要な結論として、ノルウェージャンフォレストキャットが直面する「毛玉」には、全く異なる2つの種類があり、そのどちらもが愛猫の健康を深刻に脅かす危険なサインである、ということをご理解ください。

リスク①:体外の毛玉が引き起こす、痛みと皮膚炎

一つ目は、体の表面にできる、フェルト状に固まった毛玉です。

これは、抜け落ちるべきアンダーコートが、トップコートと絡み合って発生します。

体外の毛玉は「不快」から「激痛」へ
  • 軽度なうちは、単なる「毛のもつれ」です。
    しかし、これが放置されると、皮膚が常に引っ張られる状態になり、慢性的な痛みを感じるようになります。
  • 毛玉の下は通気性が悪くなり、湿気がこもることで、雑菌が繁殖し、深刻な皮膚炎感染症を引き起こす温床となります。
  • 重症化すると、毛玉が鎧のように固まり、動くだけで激痛が走るため、動物病院での鎮静下での丸刈りが必要になるケースも少なくありません。
ルカ

自分じゃ管理できないから、飼い主にしっかりケアしてほしいニャー

リスク②:体内の毛玉が引き起こす、毛球症と腸閉塞

二つ目は、猫がグルーミングによって飲み込んだ毛が、胃や腸の中で塊になったもの、これが「毛球症」です。

「猫は毛玉を吐くもの」と軽く考えがちですが、ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種が飲み込む毛の量は、短毛種の比ではありません。

体内の毛玉は、時に命に関わります
  • 吐き出せるうちはまだ良いですが、その塊が大きくなりすぎたり、腸へと流れてしまったりすると、腸閉塞(ちょうへいそく)を引き起こす危険性があります。
  • 腸閉塞は、食欲不振や繰り返す嘔吐を引き起こし、最終的には腸が壊死(えし)してしまう、命に関わる緊急事態です。
    この場合、開腹手術が必要となります。

ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛猫種の毛玉管理は必須です

全ての原因は同じ。「アンダーコート」の管理不足です

これら「体外の毛玉」と「体内の毛玉」。 発生する場所は違いますが、根本的な原因はどちらも同じです。

それは、抜け毛(死毛)、特に「アンダーコート」の管理不足です。

  • グルーミングで飲み込まれれば、「体内の毛玉」になります。
  • 皮膚の上で絡まれば、「体外の毛玉」になります。

愛猫を2つの毛玉リスクから守るためには、「アンダーコート」がなぜ、そして、どのように抜けるのかを正確に理解する必要があります。

「ブラッシング」は深刻な病気から愛猫の命を守るための、最も重要で、最も効果的な「医療的予防行為」なのです。

なぜノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛はすごい?「ダブルコート」の構造と「換毛期」

ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛がすごいのは、明確な理由があります。

それは、彼らが極寒の北欧で生き抜くために進化した、「ダブルコート」と呼ばれる特殊な二重構造の被毛を持っているからです。

トップコートとアンダーコートの二重構造

「ダブルコート」とは、役割の違う2種類の毛が、上下二層に分かれて生えている構造のことです。

あれほどフワフワでボリュームがあるのは、このアンダーコートが高密度に生えているためです。

「ダブルコート」の構造
  • トップコート(オーバーコート)
    • 役割:外側の硬く、太い毛。雨や雪、汚れから皮膚を守る「」の役割。
    • 特徴:光沢があり、水をよく弾く。
  • アンダーコート
    • 役割:内側の柔らかく、綿毛のように密集した毛。体温を保持する「ダウンジャケット」の役割。
    • 特徴:非常に軽く、絡まりやすい。

抜け毛と毛玉の原因は、内側のアンダーコート

重要なのは、抜け毛と毛玉の「原因」は、ほぼ全て内側の「アンダーコート」であることです。

外側のトップコートは、毛周期が長く、あまり抜けません。

しかし、内側のアンダーコートは、季節に応じて体温調節のために一気に生え変わります。

このアンダーコートが、ブラッシングで適切に除去されないとどうなるでしょうか?

アンダーコート管理不足が招く2大リスク
  • 体外
    • 抜けたアンダーコートが皮膚表面に残り、トップコートと絡まって「体外の毛玉(皮膚炎)」になる。
  • 体内
    • 猫がグルーミングで大量のアンダーコートを飲み込み、「体内の毛玉(毛球症)」になる。

アンダーコートを意識したブラッシングが重要なんです

抜け毛が増える「換毛期」は春と秋

ノルウェージャンフォレストキャットには、アンダーコートがごっそりと入れ替わる「換毛期(かんもうき)」が、年に2回あります。

STEP
春(3月~5月頃) 抜け毛:最大

冬用のアンダーコートを脱ぎ捨て、夏用の通気性の良い毛に生え変わります。

STEP
秋(9月~11月頃) 抜け毛:増加

夏用の毛が抜け、冬用の保温性の高いアンダーコートが生え揃います。

特に春の換毛期は想像を絶しますよね…。
この時期のケアを怠ると、一気に毛玉だらけになってしまいます。

【補足】室内飼いの猫が、一年中抜け毛が続く理由

「うちは換毛期じゃなくても、一年中よく毛が抜けるけど…?」

そう感じる飼い主さんも多いはずです。

室内飼いNFCの「毛周期のズレ」
  • 原因:エアコンで管理された快適な室温
  • 結果:猫の体が「季節」を正確に感知できなくなる
  • 症状:本来の「春・秋」の換毛期のメリハリがなくなり、一年中ダラダラと抜け毛が続く傾向があります。

室内飼いのノルウェージャンフォレストキャットは、年間を通したアンダーコートのケア(=ブラッシング)が必須なのです。

ブラッシングの本当の目的は「死毛を除去する」こと

毎日ブラッシングを頑張っているのに、毛玉ができてしまうことはありませんか?

もしかすると、そのブラッシングは、ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛の「原因」であるアンダーコートに届いておらず、「表面を撫でるだけ」になっているかもしれません。

ブラッシングの目的
  • NG(表面)
    • トップコートを撫でて、ツヤを出すこと。
  • OK(深層)
    • 皮膚の根本に届かせ、抜け毛(死毛)となったアンダーコートを除去すること。

ブラッシングの詳しい方法を学びたい方はこちらから👇️

ブラッシングが「表面を撫でるだけ」になっていませんか?

アンダーコートは密度が非常に高いため、一般的なブラシでは、歯がまったく深層部に届きません。

ブラッシングの認識行為(何を・どうする)結果
NGな認識(表面を撫でる)トップコートを優しく撫でる気持ちいいだけ
アンダーコートの死毛は残る
→毛玉(体内・体外)の原因に
OKな認識(死毛を除去する)適切なツールで皮膚の根本から
アンダーコートを掻き出す
毛玉を根本から予防
皮膚の通気性が改善され、皮膚炎も予防できる

ノルウェージャンフォレストキャットのケアは「医療的予防行為」である

ブラッシングは、単なる「スキンシップ」や「毛並みを整える美容行為」ではありません。

放置されたアンダーコートは「皮膚炎」や「毛球症」という、深刻な病気に直結します。

つまり、ノルウェージャンフォレストキャットのブラッシングとは、これらの病気を未然に防ぐための「医療的予防行為」なのです。

  • これまでの認識
    • 「猫が喜ぶ」スキンシップ
  • 新しい認識
    • 「愛猫の命を守る」医療的予防行為

「医療的予防行為」を成功させるためには、ダブルコートををケアするために作られた、正しいグルーミングツールを選ぶ必要があります。

グルーミングツール徹底比較|あなたの猫に合うのはどれ?

ブラッシングを成功させるには、目的に合った「道具」の使い分けが不可欠です。

ここでは、ブラッシングに使う3つの基本ツールと、使用に注意が必要なブラッシングツールについて徹底的に比較・解説します。

ブラッシングツールは「適材適所」

ダブルコートを完璧にケアするには、1つのブラシで全てを賄うことは不可能です。

  • 毛玉の確認
  • アンダーコートの除去
  • 仕上げ

という各ステップで、ブラッシングツールを使い分ける必要があります。

基本ツール①:コーム(毛玉チェックと仕上げ用)

コーム(金属製のクシ)は、ブラッシングの「最初」と「最後」に使うグルーミングツールです。

コームの機能
  • 役割:
    • ブラッシング前の「毛玉」の探す
    • スリッカー後の「死毛の取り残し」の確認
  • 使い方:
    • 毛並みに沿って、皮膚から優しくとかす。
    • 引っかかる場所があれば、そこに毛玉が潜んでいるサイン。
  • 選び方:
    • 目が粗い部分と細かい部分が一体になった「両目グシ」が万能。
    • ピンの先が丸く加工されている、皮膚に優しいもの。

コームは、アンダーコートを「除去する」力は弱いですが、「毛玉を発見する」能力に最も優れています。

スリッカーブラシだけで満足せず、最後にコームが皮膚から毛先まですんなり通る状態をもって、「ブラッシング完了」のサインとしましょう。

基本ツール②:スリッカーブラシ(アンダーコート除去の主役)

「く」の字に曲がった細いピンが特徴のスリッカーブラシ。

これこそが、抜け毛の「原因」であるアンダーコートを除去する「主役」のツールです。

スリッカーブラシの機能
  • 役割:
    • 密度の高いアンダーコートに溜まった「死毛」を効率的に掻き出す
  • 使い方:
    • 手首は固定したまま動かさず、肘を支点にして、腕全体をゆっくりと動かす
  • 選び方:
    • 毛量に負けない、ピンが硬めでしっかりしたもの

アンダーコートまで届かせようとして、押し付けてブラッシングしないように注意しましょう。
猫の薄い皮膚は非常にデリケートです。
使い方を誤るとブラシによる擦り傷を作ってしまい、ブラッシング嫌いになってしまいます 。

基本ツール③:ピンブラシ(導入用・皮膚に優しい)

ピンの先が丸くなっており、クッション性が高いブラシです。

ピンブラシの機能
  • 役割:
    • ブラッシングに慣れさせる「導入(トレーニング)」用
    • トップコートのホコリ除去と毛並みを整える仕上げ
  • 使い方:
    • 皮膚をマッサージするように、優しくゆっくりと動かす
    • 「ブラッシング=気持ちいい」と覚えてもらうために使う
  • 選び方:
    • ピンの先端が丸く、皮膚を傷つけないもの。
    • 静電気が起きにくい木製や天然素材のものも良い。

皮膚への刺激が最も少ないため、ブラッシングが苦手な猫の「導入用」として最適です。

アンダーコート除去能力は低いですが、まずは『ブラシに慣れてもらう』ことを最優先に考えてあげましょう。

『ファーミネーター』の危険な落とし穴と、正しい使い方

多くのサイトでおすすめされている『ファーミネーター』ですが、ノルウェージャンフォレストキャットのようなダブルコートの猫に使うには、専門的な知識と細心の注意が必要です。

『ファーミネーター』は「ブラシ」ではなく「刃(ブレード)」です
ファーミネーターの先端は、抜け毛(死毛)だけを絡め取るのではなく、健康な毛(特にトップコート)まで刃で切断してしまうリスクがあります。

当ブログでは、トップコートを守ることを最優先し、『ファーミネーター』の日常的な使用は推奨していません。

ファーミネーター使用の潜在的リスク
  • 「トップコート」を断毛し、毛質がゴワゴワに変わってしまう
  • 必要な皮脂や毛まで取り除きすぎてしまい、皮膚が乾燥したり、フケが出やすくなったりする
  • 使い方を誤ると、皮膚を傷つける危険性が高い

アンダーコートの除去は、基本的に「スリッカーブラシ」と「コーム」の組み合わせで行うことをおすすめします。

もし、どうしても使う場合の正しい知識
  • 頻度:換毛期のピーク時のみ、週に1回程度に留める。
  • 使い方:絶対に力を入れず、毛並みに沿って「撫でる」ように数回通すだけにする。
  • 目的:あくまで「最終兵器」であり、「基本のブラシ」として毎日使うものではありません。

【実践】ノルウェージャンフォレストキャットのためのブラッシング

なぜブラッシングが必要で、どの道具を使うべきかを説明してきました。

「どう実践するか」ですが、ノルウェージャンフォレストキャットのブラッシングは、自己流で行うのは非常に危険です。

特に「スリッカーブラシ」の当て方や、「毛玉」の安全な除去には、十分な注意が必要です。

ブラッシング実践の3つの鉄則
  • 理想的な頻度
    • 換毛期は1日2回以上が必須。通常期も最低1日1回はアンダーコートの状態をチェックする
  • 正しい手順
    • 必ず「①コーム(確認)」→「②スリッカー(除去)」→「③コーム(確認)」の順番を守る
  • 安全な技術
    • 絶対に力任せにせず、「ペン持ち」「皮膚と平行」など、ブラッシングの技術を身につける

具体的な「やり方」については、当ブログの以下の記事で、写真や図解を交えて詳細に解説しています。

ブラッシングの詳しい方法を学びたい方はこちらから👇️

ブラッシングを「嫌がる」猫のための行動学トレーニング

ここまでの解説は、すべて愛猫がブラッシングを受け入れてくれることが大前提です。

しかし、多くの飼い主がぶつかる最大の壁は、「ブラシを見ただけで猫が逃げる」「無理やりやろうとすると威嚇され、流血沙汰になる」という、「ブラッシング拒否」の問題です。

絶対に「無理矢理」押さえつけてはいけません

ブラッシングを「嫌なこと」だと猫が一度学習してしまうと、その「トラウマ」を解消するには、何倍もの時間と労力が必要になります。

もし今、愛猫がブラッシングを嫌がっているのであれば、一度中断してみましょう。

必要なのは「力」ではなく、猫の信頼を取り戻すための「行動学に基づいたトレーニング(脱感作)」です。

なぜ嫌がる?猫がブラッシングを嫌う5つの理由

なぜ愛猫がブラッシングを嫌うのか、その原因を特定することから始めましょう。

猫は理由なく「嫌がる」ことはありません。

猫がブラッシングを嫌う主な理由
  • 過去のトラウマ
    • 過去に押さえつけられた、毛玉を無理やり引っ張られて痛かった、など「ブラッシング=怖いこと」と学習してしまっている
  • 痛み
    • 間違ったグルーミングツールや、強すぎる力によって、純粋に「痛い」
  • 隠れた毛玉や皮膚炎
    • すでに「体外の毛玉」や皮膚炎があり、ブラシがそこに触れることで激痛が走る
  • 不快感(静電気など)
    • 乾燥する冬場は、ブラッシングで「静電気」が発生しやすく、猫は「パチッ」という不快感を非常に嫌います
  • 拘束されること自体が嫌い
    • 猫は、本能的に長時間じっと拘束されることを嫌います。

ブラッシングを「好き」に変える!信頼を取り戻す4つのステップ

「ブラッシング=怖いこと」とトラウマになってしまった愛猫の信頼を取り戻すには、絶対に焦ってはいけません。

猫の気持ちに寄り添い、「ブラシは怖くないよ」「気持ちいいよ」と少しずつ慣れさせていくトレーニングが必要です。

数週間かけるつもりで、愛猫のペースを信じて進めましょう。

専門的には「脱感作(だつかんさ)」と呼ばれる方法です。
「おやつ」の力を借りて、小さな「できた!」を積み重ねていくイメージでOKです。

STEP
「ブラシ」と「おやつ」を友達にする
  • 目標
    • ブラシへの警戒心を解く(「ブラシ=怖くない」)
  • 行動
    • 猫がリラックスしている時に、ブラシを「見せる」だけにします。(※体に触れません)
    • 見せながら、大好物のおやつ(ちゅ~る等)を与えます。
      これを数日間、「ブラシを見るとおやつが貰える」と猫が覚えるまで繰り返します。
STEP
「ブラシの背中」で優しくナデナデ
  • 目標
    • ブラシが体に触れる感覚に慣れてもらう
  • 行動
    • STEP1に慣れたら、ブラシの「ピン(歯)がない背中側」で、愛猫の背中や頭を優しく撫でます。
      「気持ちいいね~」と声をかけ、撫でたらおやつを与えます。
STEP
「1秒」だけブラッシングに挑戦
  • 目標
    • ブラシでとかされる感覚を体験してもらう
  • 行動
    • ピンブラシやコーム(皮膚に優しいもの)で、背中を「サッ」と1回(1秒)だけとかします。 (※スリッカーなど、刺激が強いものはまだ使いません)
    • すぐにやめて、「えらいね!」と褒め、おやつを与えます。
STEP
【重要】嫌がる前にやめる
  • 目標
    • ブラッシングを「楽しい記憶」で終わらせる
  • 行動
    • STEP3の「1秒」を「3秒」に、次は「5秒」にと、少しずつ時間を延ばします。
      ここで最も重要なのが、猫が「もうヤメて!」と尻尾を振ったり、耳を倒したりする「前」に、飼い主側から止めることです。
      「もっとやりたい」と思わせるくらいで止めることが重要です。

私も無理やり押さえつけて失敗した経験があります。
この『脱感作』には時間がかかりましたが、今ではゴロゴロ喉を鳴らしてくれています。

ブラッシングを快適にする補助アイテム(静電気防止スプレー)

ブラッシングトレーニングと並行して、「不快感」の原因を物理的に取り除くことも重要です。

  • 静電気防止スプレー(グルーミングスプレー)
    • 特に冬場の「パチッ」を防ぐために非常に有効です。
      ブラシ、または猫の毛に軽くスプレーしてからブラッシングすると、摩擦が減り、毛玉の解きほぐしも楽になります。
  • とっておきのおやつ
    • トレーニング(脱感作)専用の、猫が何よりも喜ぶ「とっておき」のおやつを用意するのも成功に近づきます。

フェルト状の毛玉除去と、体内からの毛玉ケア

ブラッシングのトレーニングには時間がかかります。

しかし、もし愛猫の体にすでに「カチカチのフェルト状」の毛玉ができてしまっている場合、優先して除去すべき「痛み」の原因です。

同時に、目に見えない「体内」の毛玉ケアについても解説します。

【絶対NG】ハサミで皮膚を切る事故を防ぐために

カチカチの毛玉を見て、飼い主さんが真っ先に思い浮かべるのが「ハサミで切る」ことですが、これは絶対にやってはいけません。

絶対にハサミを使わないでください!
  • なぜ危険か?
    • 猫の皮膚は、私たちが想像する以上に薄く、伸び縮みします。
      フェルト状の毛玉は皮膚ギリギリの根本から発生しているため、毛玉と皮膚の境目がわからず、毛玉と一緒に皮膚まで切ってしまう事故につながってしまいます。
  • どうなるか?
    • 皮膚を切れば当然出血し、猫に強烈な痛みと「ハサミ=怖い」という最悪のトラウマを与えます。
      病院での縫合処置が必要になるケースも多いのです。

自宅で安全に毛玉を「ほぐす」方法(コームで皮膚をガードする)

ハサミがNGなら、どうすればいいのでしょうか。

自宅で安全に対処する基本は、「切る」のではなく「ほぐす(割く)」ことです。

安全な毛玉除去の手順
  1. 準備
    • 「コーム(金属製のクシ)」や「毛玉カッター」を用意します。
      (※グルーミングスプレーで毛玉を湿らせておくと、ほぐれやすくなります)
  2. ガード
    • コームを毛玉の根本(皮膚と毛玉の間)に差し込み、皮膚を完全にガードします。
  3. 割く
    • 皮膚をガードしたコームの上から、毛玉カッターの刃(またはコームの先端)を「毛先に向かって」少しずつ入れ、フェルト状の毛玉を縦に「割いて」小さくしていきます。
  4. ほぐす
    • 小さく割れた毛玉を、指やコームで優しくほぐしていきます。
無理は禁物です

上記は、あくまで「軽度」の毛玉への対処法です。

コームが皮膚との間に入らないほどガチガチに固まっている場合や、猫が極度に嫌がる場合は、自宅での対処は諦め、すぐに動物病院やプロのトリミングサロンに相談してください。

体内からの毛玉ケア(毛玉ケアフードとサプリメント)

ブラッシングと同時に、グルーミングで飲み込んでしまった毛を「体外(便)」へ排出しやすくする「体内ケア」も重要です。

  • 毛玉ケアフード
    • 食物繊維が豊富に含まれており、胃腸の運動を活発にし、飲み込んだ毛を便と一緒に排出するのを助けます。
  • サプリメント(猫草、毛玉除去剤)
    • オイルや食物繊維でできたペースト状のサプリメント(毛玉除去剤)や、猫草(燕麦など)も、毛玉の排出をサポートする効果が期待できます。

フードやサプリはあくまで『補助』です。
ブラッシングで『体内に取り込む毛の量』そのものを減らすことが、一番の治療になります。

最終手段:サマーカットのメリットとデメリット

どうしてもブラッシングを嫌がる、あるいは毛玉がひどすぎて手に負えない場合の最終手段として、毛を短く刈る「サマーカット」があります。

メリットデメリット
毛玉と抜け毛の悩みから、一時的に解放される
皮膚炎の治療などで、患部を清潔に保つ必要がある場合に有効
トップコートも刈ってしまう
再び生えてきた時に、毛質が変わる(アンダーコートばかりが先に生え、ゴワゴワになる)リスクがある
皮膚が露出し、紫外線や冷房によるダメージを受けやすくなる
サマーカットのメリット・デメリット

サマーカットは、猫の体温調節機能や毛質に大きな影響を与える可能性があり、あまりおすすめできません。

まずは、ブラッシングを実践し、本来の美しい被毛を守るケアを目指すことを強くおすすめします。

【危険なサイン】毛球症を疑い、すぐに病院へ行くべき症状

毛玉ケアの目的は、愛猫を「毛球症(もうきゅうしょう)」、特に命に関わる「腸閉塞(ちょうへいそく)」から守ることです。

以下の症状が1つでも見られたら、様子を見ず、 すぐに動物病院(夜間・救急含む)へ連絡してください。

「毛玉を吐く」=「安全」とは限らない

大前提として「毛玉を吐く」行為そのものが、猫の食道や胃に大きな負担をかけている「異常な状態」であると認識してください。

「吐く」ことへの正しい認識
  • 週に複数回以上、毛玉を吐く
    • 吐けてはいますが、「飲み込む毛の量(グルーミング量)」が「ブラッシングでの除去量」を完全に上回っている危険なサインです。
      ブラッシングと毛玉ケアフードを見直してください。
  • 吐きたそうに何度もえずく(咳き込む)が、何も出ない
    • 吐き出せないほど毛玉が大きいか、胃腸が弱っている可能性があります。

毛球症・腸閉塞の危険度セルフチェック

最も恐ろしいのは、「吐かない」まま体内に毛玉が蓄積し、腸を塞いでしまう「腸閉塞」です。

愛猫の状態を今すぐチェックできるよう、危険度別にまとめました。

危険度【要注意】(毛球症 予備軍)
  • 主な症状
    • 週に1回程度、毛玉を吐く
    • 時々、乾いた咳をする
  • 飼い主がすべきこと ブラッシング強化
    • 吐けてはいますが、毛の摂取量が多すぎます。ケア(ブラッシング、フード)を根本から見直してください。
危険度【危険】(毛球症 疑い)
  • 主な症状
    • 吐きたそうに何度もえずく(吐けない)
    • 食欲が落ちてきた
    • 便秘気味、または少量の便しか出ない
  • 飼い主がすべきこと
    • 病院に相談
      毛玉が排出できていない可能性があります。様子見は危険。まずは獣医師に電話で相談してください。
危険度【超危険】(腸閉塞 疑い)
  • 主な症状
    • 毛玉を吐かないのに、食欲が全くない
    • 嘔吐(毛玉ではなく、食べた物や胃液)
    • ぐったりして動かない
    • お腹を触ると嫌がる、または痛がる
  • 飼い主がすべきこと
    • 今すぐ救急病院へ
      腸閉塞の疑いが極めて高い、一刻を争う緊急事態です。夜間でもためらわずに病院へ連絡してください。

長毛種の飼い主さんが覚えるべき、最も危険なサイン。
それは、「吐くこと」ではなく、「毛玉を吐かないのに、食欲がゼロになる」ことです。

健康な愛猫が丸1日何も食べないのは、明らかな異常事態です。

それが「嘔吐」を伴う場合は、毛玉が腸に詰まり、食べ物が胃から先へ進めなくなっている(=腸閉塞)可能性を第一に疑う必要があります。

この症状を見つけたら、ためらわずに愛猫の命を優先する行動(=即病院)を取ってください。

まとめ

ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛と毛玉の対策、 その美しい被毛を維持することは、毎日のケアが非常に重要です。

この記事では、ノルウェージャンフォレストキャット抜け毛の根本的な理由から、2種類の毛玉(体外/体内)の危険性、正しいグルーミングツールの選び方、ブラッシングを嫌がる猫のためのトレーニングまでを解説してきました。

この記事のまとめ
  • 毛玉は「体外(皮膚炎)」と「体内(腸閉塞)」の2大リスクがある。
  • 抜け毛の「原因」はアンダーコート。表面を撫でるだけでは解決しない。
  • グルーミングツールは適材適所。「コーム」と「スリッカーブラシ」の併用が必須。
  • 嫌がる猫には「力」ではなく「おやつを使ったトレーニング」で信頼を取り戻す。
  • カチカチの毛玉に「ハサミは絶対NG」。皮膚をガードして「割く」。
  • 吐かない+食欲不振」は腸閉塞のサイン。即、救急病院へ。

ブラッシングは、単なる「抜け毛除去」の作業ではありません。

愛猫の皮膚の状態をチェックし、痛みを伴う毛玉を防ぎ、命に関わる毛球症を予防する「医療的予防行為」です。

この記事が、愛猫の「毛玉問題」を根本から解決し、より深く、快適な関係を築くための一助となれば幸いです。

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