プレミアムフード、グレインフリー、療法食…ペットショップの棚に並ぶ無数の選択肢を前に、「愛猫のために、本当に正しいフードはどれ…?」と、途方に暮れていませんか?
フード選びは、単なる「ごはん選び」ではありません。
それは、愛猫の未来の健康、美しい被毛、そして日々の元気を創り出す、飼い主ができる最も重要な愛情表現の一つです。
特に、ノルウェージャンフォレストキャットのような、ゆっくりと成長する大型種には、その特別な体質に合わせたフード選びが不可欠です。
この記事は、特定のフードを宣伝するためのものではありません。
広告やイメージに惑わされずあなた自身が、科学的根拠に基づいて、愛猫にとっての「正解」を見つけ出すための「知識」と「判断基準」を提供する、完全ガイドです。
【結論】最高のフードは存在しない。愛猫にとっての「正解」を見つける知識が全て
多くの飼い主さんが、「愛猫にとって、最高のキャットフードを選びたい」と願っています。
ですが、結論から言うと、全てのノルウェージャンフォレストキャットにとって完璧な、唯一無二の「最高のフード」というものは、残念ながら存在しません。
なぜなら、あなたの愛猫は、他のどの猫とも違う、唯一無二の存在だからです。
その子にとっての「正解」は、
- 年齢(子猫、成猫、シニア)
- 体質(アレルギーの有無、お腹の強さ)
- 健康状態(肥満気味、病気の有無)
- 好み
といった、様々な要因によって常に変化し続けます。
この記事の目的は、あなたに特定のフードをおすすめすることではありません。
あなた自身が、愛猫の「専属栄養管理士」となり、無数の選択肢の中から、その子にとっての「正解」を自信を持って選び抜くための「知識」と「判断基準」を提供することです。
【フード選びの大前提】まず「総合栄養食」と書かれているかを確認する
具体的なフードの成分を比較する前に、キャットフード選びには、絶対に守らなければならない、たった一つの大前提があります。
それは、パッケージに「総合栄養食」と記載されているフードを選ぶ、ということです。
「総合栄養食」とは?主食にできる唯一のフード
「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで、猫が健康を維持するために必要な栄養素を、バランス良く摂取できるように作られたフードのことです。
人間の食事で言えば、栄養バランスが完璧に計算された「完全食」にあたります。
私たちが毎日与える主食(メインのごはん)は、必ずこの「総合栄養食」でなければなりません。
「一般食」「副食」との決定的な違いと、与える際の注意点
ペットショップでは、「総合栄養食」の他に、「一般食」や「副食」と書かれたフードも売られています。
これらは、人間の食事で言えば「おかず」や「おやつ」にあたるものです。
- 一般食: 特定の食材(マグロやササミなど)を主原料とした缶詰やパウチに多く、嗜好性を高める目的で与える「おかず」です。
- 副食: いわゆる「おやつ」や「スナック」のことです。

これらのフードは、栄養バランスが調整されていないため、絶対に主食として与えてはいけません。
「一般食」や「副食」は、あくまで食事を豊かにするための補助的な役割です。
与える場合は、1日の総摂取カロリーの20%以内に留めるのが原則です。
なぜ特別?ノルウェージャンフォレストキャットの食事で考慮すべき4つの特性
キャットフードの基本的な選び方を学ぶ前に、まず「なぜ、私たちの愛猫には特別な配慮が必要なのか?」を理解しましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットには、その雄大な歴史と体格に由来する、4つの栄養学的特性があります。
選ぶべきは「高タンパク質」と「特定栄養素」が豊富なフード


ノルウェージャンフォレストキャットのフード選びの結論は、
- 高品質な動物性タンパク質が主原料
- 特定の栄養素(オメガ脂肪酸、関節ケア成分、食物繊維)」が豊富
これらの栄養素がバランス良く配合されたフードを選ぶことです。
なぜなら、これから解説する4つの特性に、これらの栄養素が不可欠だからです。
特性①:3~5年続く「成長期」を支える、高タンパク・高カロリーな食事
猫は、炭水化物ではなくタンパク質を主なエネルギー源とする「肉食動物」です。
特に、3~5年かけてゆっくりと骨格や筋肉を完成させていくノルウェージャンフォレストキャットにとって、体のあらゆる組織の材料となるタンパク質は、頑強な体格を形成するための最も重要な栄養素です。



なぜ動物性タンパク質が豊富なキャットフードがいいの?
動物性タンパク質は、その大きな体を支える筋肉作りに欠かせません。
タンパク質は、筋肉や臓器、血液など、体のあらゆる部分を作るために必要な栄養素で、ノルウェージャンフォレストキャットのように、大型で筋肉質な猫種には特に重要です。
動物に由来するタンパク質のことです。具体的には、肉、魚、卵、乳製品などに含まれるタンパク質を指します。動物性タンパク質は、必須アミノ酸と呼ばれる体内で合成できないアミノ酸をバランス良く含んでいるため、猫にとって良質なタンパク質源と言えます。
キャットフードのタンパク質含有量は 30~40% が理想的と言われています。
タンパク質が不足すると、筋肉量が減少し、体力や免疫力が低下してしまうこともありますので、高タンパク質のキャットフードは健康維持に必須です。
- 腎臓への負担:
- タンパク質の代謝には腎臓が深く関わっています。腎臓疾患のある猫は、獣医師に相談の上、適切なタンパク質量を調整する必要があります。
- 肥満のリスク:
- 高タンパク質フードはカロリーが高いため、運動量の少ない猫では肥満につながる可能性があります。
- 消化器系への負担:
- 一部の猫では、高タンパク質フードが消化不良を引き起こす場合があります。
多くの飼い主が、生後1年で体が大きくなったのを見て、カロリーやタンパク質が抑えられた成猫用フードに切り替えてしまう「1歳の罠」に陥りがちです。



1歳以降も彼らの成長は続いているので、このタイミングで成猫用へのキャットフードの切り替えは注意が必要です。
少なくとも生後18ヶ月~24ヶ月までは、高品質な子猫用フード、または全年齢対応フードを与えることが、彼らの生涯にわたる健康の土台となります。
特性②:美しい「ダブルコート」を維持する、脂質とオメガ脂肪酸


ノルウェージャンフォレストキャットの美しい被毛を保つためには、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が欠かせません。
被毛の主成分である高品質な動物性タンパク質はもちろんのこと、皮膚のバリア機能をサポートし、毛艶を良くするオメガ3&6脂肪酸(EPA・DHAなど)を豊富に含むフードを選ぶことが、彼らの美しさを内側から支えます。
- 心血管の健康維持:心臓病のリスクを軽減し、血圧を下げ、動脈硬化を予防します
- 抗炎症作用:関節炎などの炎症を抑えます
- 皮膚と被毛の健康維持:皮膚の健康を促進し、被毛を艶やかに保ちます。また、乾燥肌やフケの予防、毛玉の形成防止にも役立ちます。
- 脳機能のサポート:子猫や高齢猫の脳機能をサポートし、成長促進や老化予防に役立ちます



オメガ3脂肪酸は、皮膚や被毛の健康を持するだけでなく、心臓病や関節炎のリスクを軽減する効果も期待できます。
(イワシ、サバ、マグロなどに含まれる) | オメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸(鶏肉、豚肉などに含まれる) |
---|---|
皮膚や被毛の健康維持 心臓病や関節炎のリスク軽減 | 皮膚の炎症を抑える 免疫機能を正常に保つ |
キャットフードを選ぶ際には、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の含有量をチェックし、バランス良く配合されているかを確認しましょう。
脂質は猫にとって重要なエネルギー源
脂質はタンパク質に並んで重要な栄養素です。
猫はタンパク質と脂質をエネルギーにして活動する生き物です。
脂質が不足してしまうとエネルギー不足になり、元気がなくなったり、痩せてしまうこともあります。
脂質の含有量は、キャットフードの総カロリーの20%以下が理想的と言われています。
脂質と聞くと、「肥満」になってしまうというイメージが湧いてしまうかもしれませんが、猫にとっては重要なエネルギー源なので、含有量を必ず確認しましょう。
特性③:長毛種の宿命「毛球症」を防ぐ、食物繊維


食物繊維は、腸の動きを活発にし便通を改善する効果があります。
- 消化促進:腸内環境を整え、便秘を予防します。
- 血糖値の安定:糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
- コレステロール低下:悪玉コレステロールの吸収を抑え、心臓病のリスクを軽減します。
ノルウェージャンフォレストキャットは長毛種なので、グルーミングの際にたくさんの毛を飲み込んでしまいます。
飲み込んだ毛は、便と一緒に排出されますが、腸内環境が悪く便秘がちになってしまうと、毛が腸に溜まって「毛球症」を引き起こすことがあります。
食物繊維をしっかりと摂取することで、腸内環境を整え、毛球症の予防につながるのです。



一般的には、食物繊維5%以下が適切な含有量とされています。
食物繊維を多く含むキャットフードを選んであげることで、愛猫の腸内環境を整え、健康をサポートしてあげましょう。
食物繊維を摂取しすぎてしまうと、消化不良やガス、腹痛を引き起こす可能性がありますので注意しましょう。
(ドライフードの場合:5~10%程度が理想的)
特性④:大型猫の「骨格と関節」を守る、グルコサミン・コンドロイチン


グルコサミン・コンドロイチンは関節の軟骨の生成を助けたり、分解を防いだりする効果があります。
オスでは9kgに達することもあるその大きな体重は、四肢の関節に常に大きな負担をかけています。
特に、体重が急激に増加する子猫期は、まだ発達途中の柔らかい軟骨に過度なストレスがかかります。
そのため、関節のケアはシニア期の問題ではなく、子猫期から始めるべき予防戦略です。
軟骨の構成成分であるグルコサミンやコンドロイチンといった成分が配合されたフードを選ぶことは、将来の関節トラブルのリスクを軽減するための、賢明な投資と言えるでしょう。
重要な成分の一つですので、愛猫の年齢に合わせて摂取できるキャットフードを選びましょう。
その他の考慮すべき栄養素
尿路結石を防ぐためマグネシウムとリンの数値が低いフードを選ぶべき
多くの飼い主が懸念する下部尿路疾患(FLUTD)、特に尿路結石の予防には、ミネラルバランスの理解が欠かせません。
重要なのは、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リン(P)の「バランス」です 。
過剰なリンは腎臓に負担をかける可能性があり、これらのミネラルの比率が崩れると結石のリスクが高まります 。
多くの「尿路ケア」を謳うフードは、尿のpHを弱酸性(pH≈6.0~6.5)に維持することで、最も一般的なストラバイト結石の形成を予防するよう設計されています。
- マグネシウム(Mg):
- ストラバイト結石の主な原因として悪者にされがちでしたが、体に必要な必須ミネラルでもあります。重要なのは量とバランスです。健康な成猫の場合、マグネシウムの含有量は0.08%~0.1%程度に調整されているフードが一般的です。特に尿路への配慮を謳うフードでは、0.1%以下が一つの安全な目安とされています。
- リン(P):
- 過剰なリンは腎臓に負担をかける可能性が指摘されています。特にシニア期の猫のフードを選ぶ際には、この数値が重要になります。健康な成猫の場合、リンの含有量は0.5%~1.0%程度が一般的です。
- カルシウム(Ca)とリン(P)のバランス:
- 単体の量だけでなく、カルシウムとリンの比率も非常に重要です。理想的なバランスは、「Ca:P = 1:0.8 ~ 1.2:1」の範囲とされています。


キャットフードの成分表の見かた
キャットフードのパッケージには、魅力的な言葉と、たくさんの情報が書かれています。
先ほど学んだ「高タンパク質」「オメガ脂肪酸」「関節ケア成分」「食物繊維」といった重要な要素を、実際の成分表からどう見つけ出すのか、その具体的な方法を解説します。
フード選びで迷ったら、チェックすべきポイントは2つです。
- 「原材料」の最初に、具体的な肉や魚の名前が書かれているか
- 「成分表」の、特にタンパク質・食物繊維・ミネラルの数値
この2点を確認するだけで、そのフードがあなたの愛猫にとって良いものか、その9割を見抜くことができます。
【タンパク質の探し方】第一主原料で「質」と「量」を見抜く


ペットフードの原材料は、使用した重量の割合が大きい順に記載することが法律で定められています 。
つまり、リストの最初の方に書かれている数種類の原材料が、そのフードの正体です。
品質の高いフードは、原材料リストの先頭に、具体的で高品質な動物性タンパク質源が記載されています。



原材料表示の最初に「鶏肉(チキン)」や「サーモン」といった具体的な肉・魚の名前が記載されているものを選びましょう 。
筋肉質なノルウェージャンフォレストキャットの場合、理想的なタンパク質の割合は、フードの水分を除いた乾物量で30%~40%以上が目安となります 。
【各種ケア成分の探し方】原材料と成分表で残り3つの特性を見つける
タンパク質の次に、ノルウェージャンフォレストキャットの健康を支える「被毛ケア」「関節ケア」「毛球症ケア」の3つの特性について、成分表から探し出す方法を解説します。
- オメガ脂肪酸(被毛ケア)の探し方
-
- 探し方: 「原材料」の欄に注目し、「サーモンオイル」「魚油」「亜麻仁」といった記載を探しましょう。
- 含有量の目安: オメガ脂肪酸の理想的な含有量はフードによって様々ですが、重要なのは「オメガ6」と「オメガ3」がバランス良く含まれていることです。
特に抗炎症作用が期待できるオメガ3(魚油など)がしっかりと配合されているか、原材料リストで確認しましょう。
- 食物繊維(毛球症ケア)の探し方
-
- 探し方(量): 「成分表」の欄の「粗繊維」のパーセンテージを確認します。
- 探し方(質): 「原材料」の欄に注目し、「オオバコ(サイリウム)」や「ビートパルプ」といった、質の高い食物繊維源が使われているかを確認しましょう。
- 含有量の目安: 一般的なフードでは5%以下ですが、「毛玉ケア」を謳うフードでは、効果的に毛の排出を促すため、5~10%程度に調整されているのが理想的です。
- 関節ケア(サポート成分)の探し方
-
- 探し方: 「原材料」の欄の、主に後半部分に注目し、「グルコサミン」や「コンドロイチン硫酸」といった記載を探しましょう。
- 含有量の目安: これらの成分は病気を治療する薬ではないため、厳密な含有量が定められているわけではありません。
しかし、予防的な観点から意図的に配合されていることが重要です。パッケージに「関節の健康維持をサポート」といった表記があり、原材料にこれらの成分名が記載されているフードを選びましょう。
【年代別】ノルウェージャンフォレストキャットのフード選び
ここまで学んできたフード選びの知識を元に、あなたの愛猫のライフステージ(年齢)に合わせた、具体的なフード選びの実践ガイドをご紹介します。
猫が必要とする栄養は、その成長段階によって大きく変化します。
年齢で必要な栄養は変わる。「子猫用は2歳まで」が鉄則
年代別フード選びの最も重要なポイントは、「成長期には多くの栄養を、成猫期には適切な維持量を、シニア期には体を労わる栄養を」という基本を理解することです。
特に、成長が遅いノルウェージャンフォレストキャットにおいては、「子猫用の高栄養フードを、少なくとも2歳頃まで続ける」ことが、健康な体を作るための絶対的な鉄則となります。
【子猫期(~2歳頃)】丈夫な体を作るためのフード選び
3~5年かけて成熟するノルウェージャンフォレストキャットの、生涯で最も重要な「体の土台作り」の期間です。
この時期は、高タンパク質・高カロリーな栄養をたっぷりと与える必要があります。
- 選ぶべきフード:
- パッケージに「子猫用(キトン)」または「全年齢対応」と記載されたフードを選びましょう。
- ラベルの確認点:
- 成分表の「粗タンパク質」が30%以上あるか、そして原材料の最初に具体的な肉や魚の名前が来ているかを確認します。
また、将来の関節の健康のために、グルコサミンなどが配合されていれば、さらに良いでしょう。
- 成分表の「粗タンパク質」が30%以上あるか、そして原材料の最初に具体的な肉や魚の名前が来ているかを確認します。


【成猫期(3歳~)】健康維持と肥満予防のフード選び
体が完全に出来上がった成猫期は、必要なエネルギー量が少しずつ落ち着いてきます。
ここでの目標は、「成長」から「健康維持」と「肥満予防」へとシフトします。
- 選ぶべきフード:
- 「成猫用(アダルト)」と記載された、高品質なフードを選びます。
避妊・去勢手術後は特に太りやすくなるため、必要に応じて「避妊・去勢後用」のフードも検討しましょう。
- 「成猫用(アダルト)」と記載された、高品質なフードを選びます。
- ラベルの確認点:
- 成分表の「粗タンパク質」が30%以上あるか、そして原材料の最初に具体的な肉や魚の名前が来ているかを確認します。
また、将来の関節の健康のために、グルコサミンなどが配合されていれば、さらに良いでしょう。
- 成分表の「粗タンパク質」が30%以上あるか、そして原材料の最初に具体的な肉や魚の名前が来ているかを確認します。
【シニア期(7歳~)】腎臓や関節に配慮したフード選び
7歳を過ぎてシニア期に入ると、消化機能や腎機能など、体の様々な機能が少しずつ変化してきます。
食事の目標は「内臓への負担を減らし、穏やかな生活をサポートする」ことになります。
- 選ぶべきフード:
- 「7歳以上」「高齢猫用(シニア)」と記載されたフードを選びましょう。
- ラベルの確認点:
- 腎臓への配慮: 過剰摂取すると腎臓に負担をかける可能性がある「リン」の含有量が、低めに調整されているかを確認します(0.8%以下などが目安)。
- 関節のサポート: グルコサミンやコンドロイチンが、引き続き配合されているかが重要です。
- 消化のしやすさ: 高品質で消化の良いタンパク質が使われているか、原材料を確認しましょう。
より具体的なおすすめ商品は、こちらの記事で解説しています。


キャットフードの与え方・切り替え方・水分補給の全て
どんなに高品質なフードを選んでも、与え方を間違えればその効果は半減してしまいます。
ここでは、愛猫の健康を最大限に引き出すための、日々の食事に関する具体的な実践方法を解説します。
「与え方」の工夫が、フードの効果を最大限に引き出す
食事管理で最も重要なポイントは、以下の3つです。
- 適切な量を、適切な回数で与えること
- 快適な食事環境を整えること
- フードを切り替える際は、ゆっくり時間をかけること
- 常に新鮮な水が飲める環境を整えること(後述します)
食事量と食事回数:適切な量と頻度を知ろう!


簡単計算!愛猫に必要なカロリーと食事量
「体重や年齢によって食事量が違うのはなんとなくわかるけど… 正確に知りたい!」
そう思っている飼い主さんもいるのではないでしょうか?



すぐに計算できるからやってよう!
RER(kcal/日) = (体重kg × 30) + 70
RERとは、「安静時エネルギー要求量」のこと。
簡単に言うと、猫がじっとしているときに必要なエネルギー量です。
この式に、愛猫の体重を当てはめて計算してみましょう。
DER(kcal/日) = RER(step1で求めた数値) × 活動量(下記の数値を参照)
DERとは、「1日あたりのエネルギー要求量」のこと。
猫が1日に必要なエネルギー量は、安静時に必要なエネルギーに、活動量をかけたものになります。
活動量は、年齢やライフステージによって異なります。
- 子猫:2.0~3.0
- 子猫は、活発に動き回るので、たくさんのエネルギーが必要です。
- 成猫(避妊・去勢済):1.2~1.4
- 避妊・去勢手術後は、太りやすくなるため、活動量は控えめに設定します。
- 室内でのんびり過ごすことが多い猫は、1.2程度を目安にしましょう。
- よく遊ぶ猫や、屋外に出る猫は1.4程度を目安にしましょう。
- 高齢猫:1.1~1.4
- 高齢になると、活動量が低下するため、必要なエネルギー量は少なくなります。
- しかし、猫によっては、まだまだ活発に動く場合もあるため、活動量を調整す
- る必要があります。
例えば、体重5kgの避妊済みの成猫で、室内でのんびり過ごすことが多い場合は、
RER = (5kg × 30) + 70 = 220kcal/日
DER = 220kcal/日 × 1.2 = 264kcal/日
となります。
DER (step2で求めた数値)÷ キャットフードのカロリー(kcal/100g) × 100 = 食事量(g)
最後に、1日に必要なエネルギー量(DER)を、キャットフードのカロリーで割ることで、1日に必要な食事量を求めることができます。
キャットフードのカロリーは、パッケージに記載されています。
例えば、DERが264kcal/日で、キャットフードのカロリーが400kcal/100gの場合、
264kcal/日 ÷ 400kcal/100g × 100 = 66g
となります。
つまり、この猫には1日に約66gのキャットフードを与えれば良いということになります。
- 愛猫に必要なカロリーは、体重や活動量によって異なります。
- 上記の式を参考に、1日あたりの食事量を計算してみましょう。
1日何回?ライフステージに合わせた食事回数





猫の食事って分けたほうが良いって聞くけど、本当?
実は、猫の食事回数には決まったルールはありません。
ですが、猫は一度にたくさんの量を食べることができない生き物で、必要な時に必要な量だけ食べる「ちょこちょこ食べ」の習性があります。
猫はもともと狩猟動物で、小さな獲物を何度も繰り返し捕まえて食べていたため、何回にも分けて食べるという習性を持っているのです。
食事を分けるメリット | 食事を分けるデメリット |
---|---|
鮮度が高い食事を摂れる 酸化のリスクを抑え、衛生的 多頭飼いの場合、食事量をコントロールしやすい 血糖値の急上昇を防ぐ 肥満予防にも効果的 | 食事量の調整や手間がかかる 1日あたりの食事量を管理できない場合、食べ過ぎになりやすい 外出時間が長いと実現が難しい |
食事回数は、猫のライフステージによっても異なります。
- 子猫(生後6ヶ月まで):3~4回/日が推奨。消化器系が未発達なので少量頻回が良い。低血糖症も防ぎやすい
- 成猫(1歳以上):2回/日。食事の直後に吐き戻す場合は少量頻回が良い
- シニア猫(7歳以上):消化能力や代謝が低下するため、少量頻回が良い
自動給餌器を利用して、一定の食事量、一定の時間に食事をすることで健康管理するのも良いでしょう。
- 食事回数は猫によって異なり、決まった回数はない
- ライフステージに合わせて、食事の回数や量を調整する
- 自動給餌器を活用するのも良い
去勢・避妊手術後の食事管理:体重管理と適切なカロリー





「避妊・去勢手術をしたら、食事を変えた方がいいって聞いたけど…」
実は、避妊や去勢をした猫には、特別な栄養管理が必要なんです。
手術後は、ホルモンバランスの変化や運動量の減少により、太りやすくなる傾向があります。
そのため、適切なキャットフードを選んであげることが大切です。
- 高タンパク質:筋肉量を維持し、代謝を促進するために重要です。
- 低カロリー:太りすぎを防ぐために、カロリーを抑えましょう。
- 低脂肪:脂肪の摂りすぎは、肥満や消化不良の原因になります。
- ミネラルバランス:特に尿路の健康維持に配慮したミネラルバランスが重要です。灰分(ミネラル)の量が調整されたフードは、尿路疾患のリスクを軽減させます。
去勢・避妊手術後の猫には以下のポイントに注意して食事を管理しましょう。
- エネルギー消費の減少:
- 避妊手術後は、ホルモンバランスの変化により消費エネルギーが約30%減少します。そのため、手術前と同じ量のフードを与え続けると、太りやすくなってしまいます。
- 食欲の増加:
- 手術後は、食欲が増加する猫もいます。これは、エストロゲンの分泌が減少するためで、食欲を抑える効果が低下することが要因です。食べ過ぎを防ぐために、食事の回数や量を調整しましょう。
- 肥満防止:
- 肥満は、糖尿病や高血圧などのリスクを高めてしまうため、体重管理は非常に重要です。低カロリー、高タンパク質のキャットフードを選び、適度な運動をさせるようにしましょう。
便利アイテム!自動給餌器の活用法


決まった時間に決まった量の食事が出てくる自動給餌器は、食事回数を管理するのにとても便利です。
外出時や飼い主が不在がちの時でも、愛猫にきちんと食事を与えることができます。
また、衛生面でも優れており、フードの酸化を防ぐことができます。
自動給餌器の | メリット自動給餌器のデメリット |
---|---|
食事回数の管理が簡単 長時間外出時などでも食事管理ができる キャットフードの酸化を防げる | ドライフードのみ対応 食欲の変化に気づきにくい 故障や不具合の可能性 |
ほとんどの自動給餌器はドライフードのみ対応、食欲の変化に気づきにくいなどのデメリットもありますので、よく理解したうえで使用しましょう。
おやつについて:与え方と注意点


キャットフードとは別に、おやつを与えている飼い主さんも多いことでしょう。
「おやつは、どれくらいあげても大丈夫なの?」そう思っている飼い主さんもいるのではないでしょうか?
そもそも、おやつって何?
猫のおやつは、猫の嗜好性や好みに合わせて作られたもので、コミュニケーションやご褒美、ストレス解消のために与えられます。
頻度に決まりはありませんが、コミュニケーションやご褒美として与えるタイミングを意識しましょう。
- 猫とのコミュニケーションツール
- ストレス解消
- 本能を満たす
- しつけのご褒美
しかし、与えすぎると肥満や栄養バランスの乱れにつながる可能性がありますので、おやつの選び方や与え方について、正しい知識を身につけておきましょう。
また、おやつにはいくつか種類があるため、目的にあったおやつを与えてあげましょう。
- ドライタイプ: 乾燥したおやつで、保存がききます。歯の健康を保つ効果も期待できます。
- ウェットタイプ: 水分補給にもなります。歯が弱い猫や老猫にもおすすめです。
- フリーズドライタイプ: 食材を凍結乾燥させたもので、栄養価が高く、自然の風味を保っています。保存性も高いです。
- ジャーキー: 肉ベースで噛み応えがあり、顎や歯を鍛える効果も期待できます。



特定の病気や猫種に合わせた猫のおやつはあるの?
特定の病気に合わせたおやつは、数多く販売されています。
- 泌尿器系の病気に配慮したおやつ
- デンタルケア用のおやつ
- 毛玉ケア用のおやつ
しかし、特定の猫種に合わせたおやつは、ほとんどありません。
与えすぎは肥満や偏食につながるため注意が必要です。主食であるキャットフードで必要な栄養をしっかりと摂取しましょう。
快適な食事環境の作り方


猫が快適に食事をするためには、食事環境を整えることが大切です。
いくら最適なキャットフードを選んでも、食事環境が整っていないと食事は進みません。
「猫が喜んでごはんを食べてくれる場所って、どんな場所だろう?」
「水は、どんな容器で、どこに置いたら喜んで飲んでくれるの?」
猫が安心して食事と水分補給ができる空間を作ってあげましょう。
猫が喜ぶ!ストレスフリーな食事環境


猫は、食事をする場所、水を飲む場所、排泄をする場所をはっきりと分けて生活する生き物です。
それぞれのスペースを最低でも50cmは離して配置することで、ストレスを感じることなく生活できます。
また、猫は静かな環境を好みむので、人の出入りが激しい場所や、騒音が多い場所に食器を置くと、猫は落ち着いて食事をすることができません。
猫が安心して食事できるよう、静かで落ち着いた場所に食器を置いてあげましょう。
- 食事、水、排泄、休憩のスペースは、それぞれ50cm以上離して配置しよう
- 静かで落ち着いた場所に、食器を置こう
食器選びも重要!素材・形状・サイズはどうすればいい?
猫が快適に食事をするためには、食器選びも重要です。
食器の素材、形状、サイズによって、猫の食べやすさやストレスは大きく変わります。
どのように選んだらいいか解説していきます。
食べやすさが最優先!形状とサイズ


ノルウェージャンフォレストキャットは体が大きいので、窮屈な思いをせずに食事ができる食器を選んであげましょう。
- 広くて浅い形状:
- ヒゲが食器に当たってしまうと、猫は食事を嫌がります。広くて浅いお皿なら、ヒゲを気にすることなく、リラックスして食べられます。
- 適度な重さ:
- 軽すぎる食器は、食事中に動き回ってしまい、食べこぼしの原因になります。どっしりとした安定感は、落ち着いて食事をするための大切な要素です。
素材選びで健康をサポート!
食器の素材も、猫の健康に大きく影響します。
主に「陶器」「ステンレス」「プラスチック」の3種類がありますが、それぞれに特徴があります。
- 陶器:
- 一番オススメできる食器です。適度な重さがあり、傷がつきにくく、洗いやすいのが特徴です。熱伝導性も高いため、フードを人肌に温めてあげることもできます。 ただし、落とすと割れてしまうことがあるので、取り扱いには注意が必要です。
- ステンレス:
- 抗菌性が高く、お手入れが簡単なのが魅力です。匂いや色が移りにくく、衛生的です。ただ、金属の反射を嫌う猫もいるので、様子を見てあげましょう。
- プラスチック:
- 軽くて安価ですが、傷がつきやすく、雑菌が繁殖しやすいのが難点です。匂いや色も移りやすく、顎ニキビの原因になることも。できるだけ避けた方が良いでしょう。
キャットフードの切り替え方
どんなに高品質なフードでも、急に切り替えてしまうと、デリケートな猫のお腹がびっくりして下痢や嘔吐の原因になることがあります。
新しいフードに体を慣らしてあげるため、最低でも7日間はかけて、ゆっくりと移行させることが重要です。
今までのフード9割に対し、新しいフードを1割だけ混ぜて与えます。
まずは新しい味と匂いに慣れてもらう段階です。
便の様子などに問題がなければ、新しいフードの割合を3割程度に増やします。
さらに新しいフードの割合を半分程度にします。ここまでくれば、あと一息です。
体調に変化がなければ、完全に新しいフードに切り替えます。
もし、途中で軟便などが見られた場合は、前のステップに戻って、もう少しゆっくり時間をかけてあげましょう。
新鮮な水をいつでも!水飲み場の工夫:種類と選び方


食事ばかりに気が向いてしまいがちですが、見落としがちなのが「水分補給」。
実は、猫にとって水分は、健康を維持するための重要な鍵なんです。
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットの水分補給について、詳しく解説していきます。
水不足は万病のもと!水分補給の重要性
猫はもともと砂漠地帯で暮らしていた動物なので、あまり水を飲まないイメージがあるかもしれません。
特に、長毛種のノルウェージャンフォレストキャットは、毛球症の予防のためにも、こまめな水分補給が欠かせません。
- 尿路結石・腎臓病のリスク:
- 水分不足は、尿の濃度を高め、結石ができやすくしたり、腎臓に負担をかけたりします。
- 便秘の予防:
- 十分な水分は便を柔らかくし、スムーズな排便を促します。
- 毛球症の予防 (長毛種特有):
- 水分は飲み込んだ毛を便と一緒に排泄するのを助けます。


どれくらい飲めばいいの?1日に必要な水分量
猫に必要な水分量は、一般的に体重1kgあたり40~60mlと言われています。
例えば、体重5kgの猫ちゃんなら、1日に200~300mlの水分が必要になります。
あくまで目安なので、愛猫の様子を見ながら調整しましょう。
水分不足のサインを見逃さないで!


愛猫が水分不足になっていないか、日頃から注意して観察することが大切です。
以下のようなサインが見られたら、水分不足の可能性があるので注意しましょう。
- 食欲不振
- 便秘
- 嘔吐
- 元気がない
飲みやすい環境が大切!水飲み場の工夫
愛猫がいつでも新鮮な水を飲めるように、水飲み場にも工夫が必要です。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット | おすすめの猫 |
---|---|---|---|---|
水皿 | 一番シンプルな容器。素材、形状は様々。 | ・安価 ・手軽に入手可能 ・お手入れが簡単 | ・水が汚れやすい ・ひっくり返す可能性がある | 全ての猫 |
自動給水器 | 常に新鮮な水を供給。 | ・常に新鮮な水が飲める ・複数日の留守番にも対応可能 | ・価格が高い ・電気代がかかる ・音が気になる猫もいる ・停電時は使用不可 | ・水を飲むのが苦手な猫 ・留守番が多い家庭 |
噴水式給水器 | 水が湧き出る または流れ出ることで猫の興味を引く | 猫の興味を引きやすく、飲水を促す効果が期待できる | ・価格が高い ・電気代がかかる ・音が気になる猫もいる ・停電時は使用不可 | ・水を飲むのが苦手な猫 ・遊び好きな猫 |
愛猫に積極的に水を飲んでもらうためには、色々な工夫を試してみましょう。
- 水飲み場を複数設置:
- 猫の頭数+1個、水飲み場を設置しましょう。複数用意することで、猫がいつでも水を飲めるようにします。
- 水飲み容器の種類を変える:
- 水皿、自動給水器、噴水式給水器など、色々な種類の容器を試して、愛猫の好みに合うものを見つけましょう。
- ウェットフードを活用:
- ウェットフードは水分含有量が豊富なので、水分補給に役立ちます。ドライフードと併用したり、おやつとして与えたりするのもおすすめです。


ウェットフード vs ドライフード 本当に良いのはどっち?




キャットフード選びにおいて、飼い主を最も悩ませるテーマの一つが、「ウェットフードとドライフード、どちらを主食にすべきか?」という問題です。
絶対にどちらがいい、ということはありません。
それぞれに明確なメリットとデメリットがあり、その特性を理解したうえで選択して与えてあげましょう。
特徴 | ドライフード | ウェットフード |
---|---|---|
水分量 | 約10% | 75%以上 |
価格 | 安価 | 高価 |
保存性 | 容易 | 開封後は要冷蔵 |
歯の健康 | 歯石がつきにくい | 残りやすい |
嗜好性 | 猫による | 高い傾向 |
ドライフードの利便性と隠れた水分不足のリスク
ドライフード(カリカリ)は、その利便性とコストパフォーマンスから、多くの家庭で主食として選ばれています。
- 保存が容易でコストパフォーマンスに優れる:
- 開封後も常温で長期間保存でき、1gあたりの価格もウェットフードに比べて安価です 。
- 歯の健康維持に役立つ:
- 硬い粒を噛み砕くことで、歯石の付着を抑制する効果が期待できます 。
- 置き餌(置きっぱなし)にできる:
- 飼い主の留守中など、猫が好きな時に少しずつ食べることができます。
- 圧倒的な水分不足:
- 最大のデメリットは、水分含有量が約10%と非常に低いことです 。猫はもともと水をあまり飲まない動物なので、ドライフードが主食の場合、意識的に多くの水を飲ませる工夫をしないと、慢性的な水分不足に陥りやすくなります。
- 尿が濃縮されやすい:
- 水分不足は尿の濃縮に直結し、尿路結石のリスクを高める大きな要因となります 。
- 炭水化物が多くなりがち:
- 粒状に固めるため、ウェットフードに比べて炭水化物の割合が高くなる傾向があります。
ウェットフードの水分補給効果と飼い主の課題
ウェットフードは、猫の祖先が獲物から水分を摂取していた、より自然に近い食事スタイルと言えます。
- 食事から自然に水分補給できる:
- 水分含有量が75%以上と非常に高く、食事から自然に、そして大量に水分を摂取できます 。猫の病気に多いとされている尿路結石のリスクを低減する上で、他の何にも代えがたい最大のメリットです。
- 香りが立ち、嗜好性が高い:
- 肉や魚の香りが強いため、食欲が落ちている猫や、好き嫌いの激しい猫でも喜んで食べることが多いです 。
- 低炭水化物・高タンパク質:
- 一般的に、ドライフードよりも炭水化物の割合が低く、肉食動物である猫の体に合った栄養バランスになっています。
- コストが高く、保存が難しい:
- ドライフードに比べて価格が高く、開封後はすぐに使い切るか、冷蔵保存する必要があります 。
- 歯に汚れが残りやすい:
- 柔らかいため、歯に食べ残しが付着しやすく、歯石の原因となる可能性があります。ウェットフードを主食にする場合は、歯磨きなどのデンタルケアがより重要になります。



それぞれのキャットフードの特徴を理解したうえで最適な選択をしてあげましょう
グレインフリーのキャットフードがいいって聞くけど本当?


最近はグレインフリーのキャットフードが人気を集めていますよね。
愛猫にぴったりのフードを選んであげたいけど、グレインフリーって実際どうなのでしょうか?
グレインフリーの必要性や、メリット・デメリットを解説していきます。
グレインフリーの | メリットグレインフリーのデメリット |
---|---|
消化器系の負担を軽減する 肥満や糖尿病の予防 アレルギー対策 | 食物繊維が不足し、消化不良や便秘を引き起こす ビタミンやミネラルが不足する 価格が高い |
グレインフリーとは、穀物不使用という意味です。
穀物には炭水化物が多く含まれていますが、猫は炭水化物の消化が苦手な生き物です。



ボクは肉食動物だから、穀物を消化するのが苦手ニャー


グレインフリーのキャットフードは、猫の消化器官に優しくアレルギーや消化不良のリスクを軽減できます。
特に、ノルウェージャンフォレストキャットは大型で活発な猫種なので、消化器官への負担を減らすことは重要です。
さらに、炭水化物は血糖値を上昇させやすく、糖尿病や肥満のリスクを高める可能性があります。
ただし、グレイン(穀物)にもビタミンやミネラルなど、重要な栄養素が含まれていますので、それらの栄養素が補われているか注意しましょう。 また、腎臓に疾患がある場合は、リンの含有量に注意する必要があります。
グレインフリーだからといって、必ずしも高品質なフードとは限りませんので、 原材料や成分表をよく確認し、愛猫に合ったフードを選ぶことが大切です。
【Q&A】キャットフードに関するよくある質問(食べない、アレルギーなど)
最後に、キャットフードに関して多くの飼い主さんが抱える、よくある質問についてお答えします。
- 急にフードを食べなくなりました。どうすればいいですか?
-
猫が突然フードを食べなくなる理由は様々ですが、まずは病気の可能性を疑い、猫の様子を注意深く観察することが重要です。
「元気がない」「ぐったりしている」「嘔吐や下痢がある」といった他の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
病気の可能性が低い場合
- フードの保存方法を見直す
- ドライフードは開封後、空気に触れると風味が落ち、酸化していきます。密閉容器に入れ、冷暗所で保存しましょう。
- トッピングを試す
- 嗜好性の高いウェットフードを少量混ぜたり、猫用のかつお節をふりかけたりして、香りで食欲を刺激してみましょう。
- フードの保存方法を見直す
- 食物アレルギーが心配です。どんなフードを選べばいいですか?
-
猫の食物アレルギーで最も多い原因は、実は穀物ではなく、鶏肉や牛肉、魚といったタンパク質源であることが知られています。
もし愛猫にかゆみや下痢などのアレルギー症状が見られる場合は、まず動物病院で原因となるアレルゲンを特定することが重要です。
アレルギー対策としては、以下のようなフードが選択肢となります。
- 単一タンパク源フード:
- タンパク質源を一つ(例:チキンのみ、サーモンのみ)に絞ったフードです。アレルゲンが特定できている場合に有効です。
- 療法食:
- 獣医師の指導のもとで与える、アレルギー対応の特別なフードです。
- 単一タンパク源フード:
まとめ
ここまで、ノルウェージャンフォレストキャットのフード選びについて、その特性の理解から、成分表の見かた、年代別の選び方まで、詳しく解説してきました。
最後に、フード選びで迷った時に、いつでも立ち返ってほしい、最も重要な考え方を改めてお伝えします。
最高のフードとは、高価なフードのことではありません。
飼い主であるあなたが、この記事で得た知識を元に、愛猫の年齢、体調、そして個性と真剣に向き合い、「うちの子にとっての今の正解は、これだ」と、自信と愛情を持って選んだフードのことです。
フード選びは、一度で終わるものではありません。
子猫期、成猫期、そしてシニア期へと、愛猫のライフステージと共に変化し続けるものです。
この記事が、皆様のお役に立つことを心から願っています。